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内なる風景を共有 ・ 堀部安嗣展より - 2017/09/07

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一昨日見学した 堀部安嗣展「建築の居場所」での、挨拶文がとてもよかったのでご紹介します。

 

「建築の居場所」

私は建築を考えるようになってから、

ふたつの風景とその重なりを意識するようになりました。

 

ひとつは、からだの外にある風景で、カメラなどで簡単に

可視化できてわかりやすく鮮明なものです。

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建築を考えるときはざっくり捉えることを心がけています。

 

もうひとつは、からだの内にある風景です。

それらはまるでピントが合ってないような、

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四次元的にからだのなかをさまよっています。

感情、経験、記憶、遺伝子などから生まれるその風景は、

心身の状態に合わせて見えかたが変わります。

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私はこのふたつの風景を見つめながら、いつも建築を考えています。

外の風景は抽象化し、内の風景は具象化しようとします。

 

あるとき、外の風景から私にとって必要なものを

つかむことができ、一方、内の風景は焦点が合って鮮明になり、

それらが重なり合ってひとつになった瞬間、

建築の最初のすがたが私のなかに立ち現れます。

建築が私にとってかけがいのない表現であるのは、

自分の建築を介して、私と他者が、お互いの内にある風景を

見つめ合っているように感じるときがあるからです。

記憶も遺伝子も違う者どうしが、言葉や手続きを必要とせずに

内なる風景を共有できたとき、建築がつくりだした、

あたたかく、淀みのない居場所を感じることができるのです。 

 

 

私の場合も、クライアントが住まい始めてから何回もお宅をお邪魔します。

居心地の感想をもらって「内なる風景を共有」できたときは、

とても嬉しく、これで良かったんだと感慨にふけります。

 

ikki              2017.9.7

 

原文

IMG_6882

堀部安嗣展より    愛知淑徳大学にて

 

 

 

 


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