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2006年12月22日

高畑の家/設計考察 私の回答 第2回「塀との対話」

南外観.jpg
「塀との対話」
敷地の南側には隣地の工場が設けたコンクリートの万年塀が3メートルの高さでそびえている。
金属加工の工場では擦れるようなわずかな騒音と臭いがあるため、近隣との話し合いで昔に工場側が建てたようである。マイナスに考えると圧迫感があり、無機質なイヤなものである。
わたしはこれを自分の砦と考え、南側の庭の領域をしっかり区切ってくれる、包まれた中庭として捕らえるようにした。他人の物では無く自分の物としてプラスにしてしまえば良いのである。
3メートルの高さを、半地下をつくった上に1階のメインフロアを設ければ程よい高さの塀(壁)になる。浮いたテラスへの築山はアプローチとなり、庭を楽しませてくれる。3本組の樹木(シマトネリコ)が塀をバックに栄えて見え、潤いを与えてくれる。北側のドライゾーンに対して、南側はウェットゾーンと考えている。
東側の角パイプの塀は隣地との曖昧な結界をつくっている。風や光を通し、正面から見ると透けるが、1階のリビングから庭を見る時は隣地が気にならなくなり、またそれは隣地からも見られないということにもなる。

南外観2.jpg

大きく開けられた南側の窓のなかはリビングを中心に奥にはダイニングキッチン、吹き抜けた2階には子供室がつながる。コンクリートの半地下階の窓は寝室の窓となり換気と採光を取り入れ、下の写真のような潜った所からの庭が望める。視覚的にも十分楽しめる窓になっている。

地下(南側).jpg

南側の庭の空間領域を意識してコントロールしたデザインが、水平方向と垂直方向ともに上手く出来たと思う。各々のインテリアから見た時の、庭の表情や広がりの違いが面白い。

包まれて、安定した「精神の拠り所」ができた。・・・癒しの場

私の回答ー第1回 の北側のバス通りに対しての環境との関係性。そして今回の南側のコンクリートの塀に対しての関係性は別々の物ではない。ひとつの建築のバランスとして全体をとらえた中での設計、デザインである。
周辺環境と建築の関係は生活する人の日々の暮らし、四季を通じての永い時間をふまえ考えなくてはいけないと思う。2次元 3次元 の空間ではなく 4次元 の空間を構築する。そんな創造性をもって設計するすることが大切である。

投稿者 mki : 14:30 | コメント (0) | トラックバック

2006年12月19日

西春の家/「緩衝空間・緩衝装置」回答文 第3回

V6010348.JPG
「緩衝空間・緩衝装置」の意図                写真上 2006.11 撮影
コートハウスとして包まれた自然との関係だけでは無く、テラスの大きな竪格子を開けると、実家前にある気持ちの良い芝生の庭につながり、広がりを持つことができます。この芝生の庭は設計を始める時、一番大切にしたいと思った環境です。下の写真は始めに敷地を訪れた時に撮ったものですが、この美しい芝生の庭をどうにか新しい住宅にも役立てたいと感じました。
西春(photo2).jpg

竪格子は日常と非日常の切り替えに使える装置です。包まれたテラスと広がりをもつテラスの変様、そしてハレとケを演出する。まさにこの竪格子は環境(空間)の大きさを切り替える「緩衝装置」となります。そしてテラスは格子を開いた時の「緩衝空間」となり住宅の機能空間と広々とした芝生の庭を”緩やかに”つないでいます。
3.jpg

2世帯の関係を意図した「緩衝空間(テラス1、芝生庭)・緩衝装置(竪格子)」になっています。


奈良女子大学 生活環境学部   人間環境学科 住環境学専攻  住生活学研究室(今井研究室)
卒業論文「緩衝空間・緩衝装置」のためのアンケート調査   回答文より 第3回
*緩衝空間・緩衝装置とは  人と人、住宅と外部の関係を選択、調整する物理的空間・装置のこと

投稿者 mki : 15:29 | コメント (0) | トラックバック

2006年12月13日

名古屋大学/授業の講議から・課題 [住宅]  第1回

はじめに
    住宅は日々の生活の中で自己の意識をつくる

mki 設計のポイント −参考ー 

  創造は自己経験の分析から     
   生い立ち
   旅/空間の実体験 
     ル・コルビュジェ
      建築巡礼12 ル・コルビュジェ 丸善 / スイスからパリへそして東方への旅 
     安藤忠雄
      建築に夢を見た NHK人間講座 / 
      大阪下町からコルビュジェに魅せられシベリア鉄道でヨーロッパ行脚へ 
     etc

   「設計に正解はない。自己の回答を見つける」
    (自己の発見である)

 状況の観察 『生活・周辺』「遺伝子・生成する環境」
   ① 生活→プログラム
      家族構成(年令、性別、世代)
      仕事
      趣味・性格
      生活経歴(主人・奥さんなど) 
      現在の住まい
      車
      希望(あこがれ・現況の反発)
      哲学(人生観)
      etc

   ② 周辺→環境
      方位
      道路(大きさ、交通量:人 . 車)→幹線道路や商店街などとの関係
      隣地の建物や様子
        種類
        高さ
        古さ
        緑地(敷地内外にある樹木の活かし方)
        音、臭い
      歴史(街の歴史、住人の動き)
      etc
      建築の構成を前提にしながら、住宅を『生態学的』な環境世界の構築につなげる発想。
      建物そのものがどうかなのではなく、建物が環境のなかでどのようにあるのかを考えてい           
      く。建築というのは、外部条件を観察して、それを形に定着するもの。
                     小さな家の気づき :著者/東工大助教授 塚本由晴

前回のコラムで「高畑の家」の設計において、私の回答をお話ししはじめました。
「設計に正解はない。自己の回答を見つける」
学生たちにも上記のように、設計で最後に主張できる”こだわり”は、『自己の発見から生まれる』と
言い続けています。

投稿者 mki : 15:33 | コメント (0) | トラックバック

高畑の家/設計考察・私の回答 第1回「バス通りとフェイス」

北外観(道路から).jpg
周辺環境(北)・生活スタイル
名古屋駅の西方、地下鉄で15分くらいの所にある中密度都市の中での計画です。間口7.5m奥行き22mの50坪ほどの敷地です。北側には車量の多いバス通りがあり、交差点が近いため信号待ちの車も住宅の前に留まります。南側には金属加工工場の3メートルのコンクリート塀が立ち上がっています。
ここでの敷地の読み取りから出た私の回答は、北側のバス通りに対して、騒音とプライバシーの保護の面から、最低限の開口部を設けるだけとしました。機能的には通風と2階の子供部屋からの限られた視覚的な安堵感を求めた眺めを持たせることです。もうひとつ、半地下のコンクリートの箱の上に金属の箱を乗せていますが、この金属の箱の一部の壁が斜めになっています。ここが今回の建築の成立に大きな役割を持っている部分です。この説明は後日にいたします。北側前庭は駐車場となり砂利敷きの「ドライゾーン」としてデザインしました。金属面のモアイの顔のようになったため、「メタルモアイ」と名付けました。このメタルモアイを引立たせるためのドライゾーンになっています。[図]と[地]の関係をしっかり出したいと考えたためです。
北外観.jpg
また、南側のコンクリート塀に対してどのような回答を出したか、これも次の機会にお話しします。

ご夫妻とも学校に勤務されている事から書籍が多く書斎や納戸が必要なことと、日々の忙しい生活から合理的な家事動線を希望されました。キッチンと水周りのプランは住まわれていたアパートの生活からヒントを得て設計しました。また趣味の茶室、そして男の子3人の自由な生活空間などを課題としてスタディを重ねて設計を行いました。

投稿者 mki : 14:33 | コメント (0) | トラックバック

2006年12月12日

西春の家/「緩衝空間・緩衝装置」回答文 第2回

V6010344.JPG

[外部との関係に対して考慮した点]
光と風とのふれあいを一番に考え、木製の引戸を開け放した時は、内外が一体化するような環境を設計しました。京町家のような奥に長い敷地で庭のある渡り廊下を通りながら、生活の中で自然とふれあえる空間づくりを心掛けました。
木製のオリジナル引戸は全開放することが出来、リビングダイニングはテラスの中にある屋根付きの休息所のようになります。
1.jpg


テラス2のパーゴラ(上部のルーバー)
このテラス2のルーバーには2つの機能があります。
1 外部なのですが、リビングや室2(主寝室)と空間的につながりが強くなるように天井の連続する梁と同じリズムでつくりました。外部だけど内部の感覚になるような外室をデザインしたものです。太陽光や雨が入ってくると不思議な現象になります。
2 敷地の北側に3階建てのアパートがあり3階のベランダからリビングへの視線をカットするためのルーバーです。
5.jpg


その他外部との関係は窓に現れますが、窓には光を入れるもの、風を通すもの、視線を通すものと機能は様々です。機能の重複するものもあります。
特に私は窓、「開口部」についてはこだわりを持ち設計しています。

その他 HP worksの「西春の家」の写真を参考にしてもらえると空間がわかると思います。

奈良女子大学 生活環境学部   人間環境学科 住環境学専攻  住生活学研究室(今井研究室)
卒業論文「緩衝空間・緩衝装置」のためのアンケート調査   回答文より 第2回
*緩衝空間・緩衝装置とは  人と人、住宅と外部の関係を選択、調整する物理的空間・装置のこと

投稿者 mki : 13:36 | コメント (0) | トラックバック

2006年12月07日

西春の家/「緩衝空間・緩衝装置」回答文 第1回

V6010345.JPG
周辺の環境 
敷地はご主人の実家の敷地内にあります。?0年ほど前に換地で区画整理された土地をもらった実家の敷地は、ほぼ25m角の大きさがあります。南側に6m道路のあるこの通りの環境は、ほぼ同じように南側に庭をもってゆとりのある建ち方の住宅が並んでいます。
ご主人の実家は北西の角に建っており、南側の広めの庭(綺麗な芝生の庭)、東側には当時駐車場と畑がありました。敷地は東側の8m間口の縦長の土地です。
設計当初、前面道路の南側にはパチンコ屋が潰れた後の倉庫がありました。(竣工してしばらくすると、この南側隣地に8階建てのマンションが建ちました。)その南側は4車線の交通量の多い商業地で飲食店などが建ち並んでいます。

奈良女子大学 生活環境学部 人間環境学科 住環境学専攻 住生活学研究室
卒業論文「緩衝空間・緩衝装置」のためのアンケート調査   回答文より 第1回
*緩衝空間・緩衝装置とは  人と人、住宅と外部の関係を選択、調整する物理的空間・装置のこと

投稿者 mki : 13:08 | コメント (0) | トラックバック