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2007年01月24日

西春の家/「緩衝空間・緩衝装置」アンケート 回答文 第 6 回/最終回

『 南側の開口・・・周辺環境の読み取り 』
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日頃街を歩いていて気になる住宅は、南側前面道路の南の庭に対して直接大きな開口部のあるものです。この場合必ず常にレースのカーテンが引かれています。インテリアからの気持ちの良さを考えるともっと直接 開放感を持たせてあげたいと思います。
建築には空間の対話が必要です。誰と何を対話するか、よくスタディして設計したいものです。

周辺の環境にもよりますが、今回の敷地は南面が商業地ということもあり、直接南に開放することは避けました。偶然ですが、竣工して3年ほどたってから潰れたパチンコ屋(倉庫として利用)は、8階建てのマンションに建て変わりました。こちらに向けて外廊下が配置され上から覗き込まれる環境になりましたが、上部の7、8階のみから見られる程度で視覚的にはほとんど気になりませんでした。(実際、マンションの廊下には目隠しボードがつけられ見る事は出来ないようにしてもらいました。)
予想として将来、商業的な施設ができるとは思いましたが、8階建てのものができるとは思ってませんでした。どうにか想定内の結果で、当時の設計についてクライアントも満足しておられます。

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奈良女子大学 生活環境学部   人間環境学科 住環境学専攻  住生活学研究室(今井研究室)
卒業論文「緩衝空間・緩衝装置」のためのアンケート調査   回答文より 第 6 回
*緩衝空間・緩衝装置とは  人と人、住宅と外部の関係を選択、調整する物理的空間・装置のこと

投稿者 mki : 13:41 | コメント (0) | トラックバック

2007年01月17日

西春の家/「緩衝空間・緩衝装置」アンケート回答文 第5回 

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「建築と外部との関係」
建築は基本的な機能として内部空間をつくるものです。壁と屋根ができると建築になります。一度セパレートしながらいかに内部と外部をつなげるか。その関係性に工夫しています。機能が過多で滅菌ルームのように隔離されつつあるメーカーの住宅(高断熱高気密)に対抗しながら、外部との関係をストレートに持てるシンプルな建築をつくりたいと思ってます。全開放のガラスの温室のような建築では無く、自らが制限した外部(光、風、緑、視線)との関係をコントロールしつつ、建築の機能を果たすようなもの・・・
人に与える感覚的なものとして建築は、精神的な”気持ちの良さ”をどれだけ建築に演出できるかをもとめて設計しています。常に満たされるのでは無く、時と場合によって気持ちの変化を起こすような。自らが移動したり、物が可動したり、時間が経過すること(太陽の動き、四季の訪れ)によったりと・・・三次元ではなく、四次元の空間体験を設計しているつもりです。
私の中には、子供の頃に育った、山や川、田畑の景色の美しさを貯えています。今も四季折々に美しく感じる時があります。その自然の美しさと素直に関係する建築を目指しています。生活の中で、ふと気持ちのあらわれる瞬間、癒される想いを感じ、時を積み重ねる事が出来たら幸せかなと思います。
敷地の環境は、様々です。まずは与えられた環境を読み取り家族との対話を重ね、機能とデザインを練り合わせる。この練り合わせる時の合わせ方、センスが建築家の個々のものとならなければいけません。環境(敷地)があっての建築です。建築家はその敷地の環境を魅力として抽出する力が必要です。

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奈良女子大学 生活環境学部   人間環境学科 住環境学専攻  住生活学研究室(今井研究室)
卒業論文「緩衝空間・緩衝装置」のためのアンケート調査   回答文より 第 5 回
*緩衝空間・緩衝装置とは  人と人、住宅と外部の関係を選択、調整する物理的空間・装置のこと

投稿者 mki : 14:34 | コメント (0) | トラックバック

2007年01月11日

高畑の家/設計考察 私の回答 第3回「箱の中・1」

『垂直移動:核となる階段』
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この夕景写真でインテリアの様子がわかると思う。
地下1階は半地下で、視線も風も南北(表と裏)を貫くようになっている。
1階はグランドから 1.7m 上に浮いている。主たる機能は、この階にあり、水廻り・ダイニングキッチン・リビング が配置されている。
中心にある階段を昇ったフロアが2階の子供のスペースになっている。庇の上にある横長の窓の中は子供達の遊び場を兼ねた納戸になる。階段上端のはしごから昇れる。

今回は1階の階段回りについてお話します。
鉄骨階段をあがった玄関戸を開けると下記のような階段が正面に現れる。玄関ホールのようなものは無く、コンパクトな土間のみで、リビングとダイニングの様子が見える。リビングの向こうには南側の庭が見えて開放的な視界になる。
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階段はグレーチング(スチール格子)で、上部からの光を下に透かしてくれる。
玄関からは地下に下りる木製の階段が目の前にあり、このスチールの階段と重なっている。3層のフロアは吹抜けになっていて、これらの階段でつながっている。
コンパクトな各階のフロアをこの階段によって上下し、大小の空間(天井高の違い、視覚的な外への拡がりの変化)を感じ取りながら生活する事を意図している。
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天井の低い包まれたダイニングキッチンからは、正面に階段、リビングがあり、その向こうに緑の庭を望める。前面が開放的な対面キッチンのスタイルだが、このキッチンの手前にダイニングスペースがある。このダイニングから洗面脱衣室→浴室、トイレへと繋がりプラン的にはかなりコンパクトである。この合理的な計画は今まで住まわれていたアパートでの生活が活かされている。
左側の並んだ引戸の中はすべて収納スペースである。右側は玄関戸。階段回りを回遊できるプランとしている。

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1階に立った状態で、南側にあるコンクリート塀の上端に視線が合うような高さになり、塀の向こうにある隣地工場の緑を見ることができる。

中心に配置した3層をつなぐ階段は上下移動をするだけのものだけでなく、身体に与える感覚の体験を日々変化させながら楽しめることを期待している。


PS.
「西春の家」は水平移動しながら3つのブロック(寝室+収納/リビングダイニング+水廻り/子供スペース)を体験している。中庭(コート)をはさみ空間を分節し、つないでいる。
「高畑の家」は垂直移動しながら3つのブロックを体験している。
これは偶然ではなく、自らの意図として構築したものである。
水平面で開放的な「西春」に対して、「高畑」は光と視界を抑制し計画的な開口部を適宜デザインする。この視覚的な体験操作も考察しながら計画している。
『ふたつ』の対照的な設計が私の中では『ひとつ』の成果になっている。
「高畑の家」の細部については、またこれからのコラムでご紹介していきたい。

投稿者 mki : 19:02 | コメント (0) | トラックバック

西春の家/「緩衝空間・緩衝装置」使われ方、利用法         アンケート回答文 第4回

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「テラス」
前庭:具体的に、テラスは駐車場のあるピロティをくぐり門扉から中に入った後階段で上がったスペースとなります。玄関前の前庭としてお客さんを受け入れる空間に使われています。
遊び場:リビングから子供達は気軽にテラスに出て3綸車をこいだりと木デッキの遊び場になってます。
つなぎ:リビングダイニングと子供室(室1)の間にあるテラスは、部屋で遊んでいたりする子供の様子が伺えるスルー空間として役立ってます。
光、風:コートハウスのテラスとしてリビングに光と風を与える中庭の役割をきちんとはたしています。
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「竪格子」
日常、非日常:平日の生活では竪格子を閉めての中庭の使われ方が主です。休みの日の天気が良いと格子を開けて開放感に浸されたり、芝生の庭へのつながりを持ち遊びの場所も広がります。
交流:庭を通して隣の祖父母と孫たちの関係も深まります。3世代の交流、2世帯の付かづ離れづの関係も微妙に作ろうとしています。
ステージ:まだ実行はされてませんが、格子が開いた時はテラスがステージとなり、芝生庭が客席となるような、何かイベントができると良いかと考えています。
フィルター:閉めた時の竪格子は、庭から中を見た時に、正面からはテラスと奥の階段室は見ることが出来ますが、テラス横のリビングと室1は見えないように格子の寸法を調整しています。ルーバーの効果をねらったもので実際うまくいきました。

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上記の写真は 2006.11月の朝に撮ったものです。下記の写真(計画当初)のように以前は前面道路の前にフェンスと倉庫として使われていたパチンコ店がありました。日当たりは冬の朝と夕方だけ少し悪いだけでそう問題はありません。むしろ前が開放されスッキリした気がします。
マンションの廊下側からの視線も気にならず、コートハウスの効果が上がりました。
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奈良女子大学 生活環境学部   人間環境学科 住環境学専攻  住生活学研究室(今井研究室)
卒業論文「緩衝空間・緩衝装置」のためのアンケート調査   回答文より 第 4 回
*緩衝空間・緩衝装置とは  人と人、住宅と外部の関係を選択、調整する物理的空間・装置のこと

投稿者 mki : 17:16 | コメント (0) | トラックバック