塩河の家

里山の風景と暮らす家

冒頭の概要コメント

山と田んぼに挟まれた集落にたたずむ住まい

山沿いにある集落の中で、築60年の母屋の建て替えです。南北に伸びた田んぼと山に挟まれた里山に馴染むような住風景をつくりました。農家の本家としての風格、そして二世帯が永く住み続けるための時とともに育む家を計画しました。山を背景にした連なる屋根のデザイン、そして山へとつながる庭は日々の気持ちを和ませてくれます。正方形と正五角形、庇の伸びた屋根、このシンプルな幾何学の美しさが山に生えます。

 

岐阜県可児市

敷地:山沿いの集落、南北に連なる田んぼ

竣工:2013年1月

用途:戸建て住居

家族:夫婦+子供2人+母

構造:木造2階建て

敷地面積:985.96㎡(299坪)

延床面積:150.92㎡(46坪)

1階:115.32㎡(35坪)

2階: 35.60㎡(11坪)

撮影:鈴木研一

 

 

 

 

五角形の居心地:開 と 閉                         

正五角形の室内は、家族の居心地を創造した空間です。 南の中庭と木デッキテラスにつながるダイニングキッチンは、大きな開口から陽が入り、明るく清々しい空間になっています。 くの字に延びた小さなリビングは、小さな台形空間に包まれた安心感のあるコーナーです。玄関につながる廊下沿いにこども達が篭れるワークスペースがあります。 五角形の空間で「広間」と「デン」のある、家族が優しくつながる空間になりました。 2階の寝室は五角形の高い傘に覆われ、此処の部屋からは山と田んぼと眺めが良い心地よい空間です。

正方形の通り抜け:前庭と中庭

玄関横の前庭から入る仏間は、2部屋を通して奥の中庭を見通せます。その中庭の向こうには借景となる山庭の景色が臨めます。大きな四角すいの屋根の下につつまれた自然が通り抜ける空間です。

水景:水鉢のおもてなし                           

石畳のアプローチから玄関に向かうと山際の石垣・中庭を見通すことができます。木格子のポーチを入ると、地窓から水鉢のある坪庭に迎えられ、山庭・中庭につながる水景のおもてなしとなります。水鉢にしているのは、納屋に眠っていた石臼です。ステンレスの筧から井戸水が流れ落ちる仕掛けです。

周りの景色は、東の遠い山と手前の田んぼ、西の近い山庭、南の中庭と・・・360度の眺めが心地よい住まいです。

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