平出の家

密やかな路地庭と住む。

アトリエと住居の狭間にある路地庭とともに過ごす住まい

密集した住宅地の中に、密やかに自然と寄り添う路地のような庭をつくりました。奥に長い敷地の西にコンテナ、東に住居を配置し狭間に門扉から玄関までのスロープと路地庭をつくりました。リビングダイニングキッチンと寄り添うように四季を愉しむ庭です。1年を通して光と緑を楽しませてくれる路地庭は、日々の暮らしを活き活きとさせてくれます。

 

愛知県名古屋市

敷地:住宅が密集した南面道路の土地、間口が狭く奥に深い形状

竣工:2016年12月

用途:戸建て住居

家族:夫婦

構造:木造2階建て+鉄骨造

敷地面積:171.32㎡(53坪)

延床面積:102.28㎡(31坪)

1階: 44.30㎡(13坪)

2階: 28.25㎡ (9坪)

コンテナ: 29.73㎡ (9坪)

 

 

家づくりのきっかけ・要望

ご主人が青年期まで住まわれていた実家の建て替えを希望されました。イラストレーターの仕事をされているご主人のアトリエと別棟になる安らぐ終の棲家を要望されました。

密集地にある密やかなプライベート路地庭

周囲は区画整理された込み合った住宅地です。アトリエと住居をパラレルに並べて、狭間に細長い中庭を配置しました。外からは想像がつかない光と緑が奏でるゆたかな庭ができました。
アトリエを40フィート(12m)の海上用コンテナに納め、対面には開放的なリビングダイニングキッチンがあります。午前中はコンテナに当たる陽光が反射して、ダイニングを間接的に明るくしてくれます。正午には路地の上からの陽光が庭へ樹々の影を落とします。午後からは木漏れ日がリビングのフロアを彩ります。
アトリエのデスク前のスリット窓からは、実をついばむ小鳥を間近に観ることができて喜んでらっしゃいます。自然に接しながらの仕事場にあこがれを持たれていたクライアントに理想的な環境を提案できました。

潤いを与えてくれる路地庭

陽光が与えてくれる光の恵みと路地庭に映える緑の潤いは、日々の自然(光・緑・風)の変化や四季を通じてのゆたかさを感じてもらっています。新緑、花、実、紅葉、落ち葉、枯れ木、雪景色・・・が大きな開口部から室内と一体となる様子が愉しみだそうです。2つの棟の緩衝材のようにデザインした庭は、身体的・心理的にゆたかな暮らしをつくり出しています。

デザインと機能をコラボレーションしたファサード

区画整理されている敷地は、間口8.5m・奥行き20mです。この正面からのファサードデザインを素材・形・色での表現にこだわり、スチールコンテナのアトリエ・木造板張り外壁と鋼板三角屋根の住居・庭を囲むコンクリート塀、その正面外観の奥にはデザインに伴う機能的なゾーニングを創造しました。

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