岐阜城のある金華山を北に望む住宅の再生である。両親の建てられた鉄骨3階建ては、築25年ほど経つ。1階は刺繍工場、2・3階を住まいとして使われていた建物を、息子家族と両親の2世帯住宅に改修した。1階は両親、2・3階は息子家族の構成である。鉄骨造の間口が6.4mと1スパンで出来ているため部屋の新しい間仕切りは自由にできる。東西に開かれている空間を活かし、風と光の抜けるトンネル状のプランとして全階をまとめた。
計画の中心となった3階は、個室として2部屋に間仕切られた壁を全て撤去、ワンルームのリビングダイニングキッチンに改修し、テラスとつながるラウンジへと再生した。室内から分離されていたテラスは新しい生命をもらいこれまでに無い展望と心地よさを生んでくれた。周囲の環境に恵まれていた条件を活かしたラピュタの空間となった。
東向きのテラスに全開放できる木製引戸、キッチン収納の納まりと西の陽を抑えるために合板壁で絞った開口部が3階の空間の質を大きく上げた。2階の玄関から上がる階段をシンプルなデザインにしたことで上への動きも軽快になり、3階の開放的な空間へのアプローチとしてスムーズなつながりができた。
アイランドキッチンや暖炉など生活道具が空間のアクセントとなりモダンな白い空間を楽しませてくれている。
2・3階の機能の逆転は、生活の喜び快適さまで大きなリノベーションを起こした。
plan
data
家族 | 夫婦+子供3人 |
住所 | 岐阜県茜部 |
竣工年 | 2010年12月 |
構造 | 鉄骨造3階建(1986年竣工) |
延床面積 | 172.1㎡(1F:62.1㎡,2F:66.7㎡,3F:43.3㎡) |
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